学園へ

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僕らの通うことになった学校は【竜昇学園】(りゅうしょうがくえん)という。 普通とはずれた座標上の空間にあり、敷地内からの出入りが容易ではなく。 完全寮制で広大な土地を有し、飲食店、雑貨ビル、さらには会社や研究所などもある。 建物が多く、敷地面積も広いため、学園に通う学生ですら慣れない場所に向かうと迷うこともしばしばあるそうだ。 新入生で新しい学校に通うことになる僕もまた、例外なく学園はおろか待ち合わせ場所すら見つけられず迷子になっていた…… 「はぁ~、待ち合わせの時間分からないのに、迷子になるだなんて…」 時間なんてさっぱりだが、とりあえず、早く家は出たはず―着かなければ意味がないけど。 自分の荷物をもっとしっかりと確かめていたら良かったのに…ギブミー地図~ じいちゃんも準備はしっかりしろって言ってたのに。 最早完全に手遅れなため少しがっくしと、うちひしがれ軽いため息をもらしながらビル街を見回し目印に成りそうな建物を探す。 待ち合わせは大きな時計台なのだが、高い建物ばかりで見渡しが悪くそれらしい物はさっぱり見つからない。 その時の僕は全く気が付かなかったのだ、携帯電話で連絡すれば全て解決すると…。 ……何やってんだろうね?僕って。
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