学園へ

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駄弁りながら歩いていると桜並木の切れ目が見えてきた。 桜並木を抜けると、今まで見えてこなかった城と見間違えるほど大きな建物が見え始めた。 その建物は荘厳な雰囲気を漂わせていかの様。 冊子でも見ていたけど、現物は凄いな… はっきりと見えるとこまで行くと分かるのだが、歴史を感じる建物の回りには、近代的な建造物やら研究所やらがある。 どうやら勇人も学園のスケールの大きさに改めて驚いたようで、思わず感嘆の声をもらしている。 入学案内にあった、通りの商店街をすぎると校門が見え始める。 正門へ続くまたもや有った桜並木の道には早くも生徒達が多く登校している。 門を潜るとまだ準備中なのか、先生や生徒たちが慌ただしく準備をしていた。 近くの先生に尋ねたところ入学式会場に入れないようで、新入生達も近くにあった大きめのベンチに腰掛けたりして話ながら時間をつぶしていたり、周辺のベンチや木陰で休んだりして時間を潰している者も多くいる。 「やっぱり生徒は多いなぁ。奏、はぐれて迷子になるなよ」 なんてことを言われながら空いたベンチを探しながら歩いていると、視線を向けられていることに気が付いた。 勇人を小さく小突いて報せたが、既に気が付いていたようで、少し疲れた様な顔をして小さくため息をついてから頷いた。
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