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「あー、クラス分け貼り出されてるのって、こどのあたりだったけな」
視線が気になってか勇人は落ち着きがない素振りで尋ねてきた。
途中にベンチでもあったら一休みしようと話していたが、先程から結構歩いているのに空いたベンチが見つからない。
それほど急ぐことでもないが、確かに見に行ってもいいだろうかと考え。
「確かにそうだね。知り合いがいるかも知れないしね」
と、乗降口へと歩き出す。
どうやらクラス分けが貼り出されている場所は複数あるらしく乗降口だけではないようで、さほど人が集まっていなかった。
クラス分け表の前に並んで立っていると、突然勇人が
「お前の友達こっちの学園にきてんのか?」
と聞いてきた。
実は小学校の高学年のとき転校してしまったため、その後の小中は勇人や小学生時代の友達とは違う学校に行っていたのである。
同中の友人はここの学園に行くとは聞いていなかったため
「来てないと思うけどね」とだけ返す。
「「……」」
僅かな沈黙の後にクラス分けが出ている掲示板の前で口を開いた。
「…ねえ、コレってどうすればクラス分け見れるの?」
見つめる先の掲示板は清々しいまでに真っ白であった。
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