学園へ

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放送されているためなのか、話し合いによる交渉を行いだした。 「ですって。部ちょーどうしますか?」 状況はこちらが有利なためだろう、緊張感のない声で部長さんに問う。 「こっちにスイッチが有る限り私達の安全が確保できている。切ったら殺られるぞ」 「なにごちゃごちゃ言ってんだ、副部長そいつと三枚下ろしにすっぞ。嫌ならサッサとスイッチ切れ」 がっつり新入生に聞こえてる状況で物騒な会話をしても大丈夫なんだろうか。 会長さんが部長さんと副部長さんが騒いでいる中、式場から腕章を着けた一人の生徒が出てきた。 大きなメガホンをもっているその人は副会長だそうで、「会長や役員達がすいません。先程の指示道理に式場への入場をしてください」と苦笑いを浮かべて教えて誘導を行う。 日頃からいろいろと振り回されているのか、とても馴れた様子である。 新入生一同、副会長に同情を禁じ得なかった。 がんばれ副会長!応援しています! さて、その後全ての新入生を誘導し終えた副会長こと、フェスさんは「暫くお待ち下さいね」と笑えない笑顔を顔に貼り付けて校内へ。 騒がしく続いていた放送は突然ぷっつりと切れ、大きなたんこぶをこしらえた会長さん達一行を連れたフェスさんが戻ってきた。 会場に入っていった彼らの姿を見て、ここでちゃんとやっていけるのか少々心配になった。 準備が済んだ会場に入り、少しドキドキしながら式を待っていると、会場が暗転し、遂に入学式が始まった。 式が始まるとあんなにも乱暴な言動で騒いでいたのを忘れるほど、会長さん(夜火さんというらしい)はしっかりと進行を務める。 席は自由だったので、並んで座った僕たちは淡々と進められる中、大人しく式を過ごしたのだった。
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