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「は!僕は奏、私は誰?」
いつの間にか気を失っていたのか?
前後の記憶がはっきりしないが、とても恥ずかしいことがあった気がするぞ。
もうホームルームが始まっている見たいで、黒板に先生の名前である[森 林太郎]と本日の日程が書かれている。
いつの間にか机に座っているので頭を捻りながら前を見直す。
「うむ。獅子川の妹分は起きたみたいじゃな。
自己紹介やら何やらは終わっておる。ちょうど今から明日の日程について話すからゆったりと聞いておればよい」
えらく古めかしい言葉遣いで失礼な事を言ってくれたが、状況を教えてくれる辺り悪い人じゃないみたいだ。
ちなみに獅子川とはレオのことである。
親切に教えてくれた先生に軽く会釈をして了解の旨を伝え座り直す。
「奏、優しい先生で良かったな」
勇人が後ろの席から声をかけてきた。
出席番号順なのだろう、教卓に近い方の左端が僕の席で勇人はその後ろ、声を出して肯定するのも先生の話の腰を折ることに成りかねないので頷き返答する。
「後で色々教えるよ」と小さく言って勇人は会話を打ち切った。
そういえば自己紹介参加出来なかったな、とぼんやり話しを聞いていたのだけれど、また何か違和感を感じ始めた。
自身の体調が悪いでもなく、勇人の様子が変だったわけでもない、ましてやクラス全体の雰囲気が変な訳でもないのに何だろう。
先生は説明にていて大方話し終え、黒板に振り返り必要事項を書き始めた。
そうだ、先生から違和感を感じる、けど何が…
林先生の背伸びをしながら黒板に明日の持ち物を書く姿に一瞬でピンときた。
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