8人が本棚に入れています
本棚に追加
店員とのやり取りとを済ませたり後、窓際の席に案内された。
店内にはまばらに客がいる程度、纏まって座れるか心配していただけに一安心。
みんな各々好きなものを頼んでわいわい話していると堅苦しい雰囲気はなくなっていた。
「奏が男子って知ったとき本当ビックリしたのよ?」
朗らかに笑いながら話すエルス、彼女曰く本人に聞くまでは完全に女子だと思っていたようで、今でも少し信じられないっ、と言った様子。
ちなみに彼女は六皇門の一つである杯の門当主の1人娘。
これまでは心配性の父のせいもあって王立の学校に通っていたそうだ。
この学園入学についても「絶対何かあったら帰って来るんだぞ。絶対だぞ」と釘を刺していらっしゃったらしい。
「本当そうだよね。私も最初は笑えない冗談かと思ってたから、奏ちゃんには驚かされたよ」
奏にとっては苦笑いしざるおえない話題に驚くもう1人、咲は同感の意を表す。
こちらの彼女もギルド日本支部総司令の娘というビッグネームで、下に妹と弟がいる三人姉妹らしい。
こちらの父もまた心配性なご仁であるご様子。
横路にそれるが、さっきまでエルスとこの話題で大いに盛り上がっていた。
娘が家を離れる訳だから家族としてはとても心配性なんだろう、顔は知らないが彼女達の父親の様子がありありと浮かぶ。男三人はこの時ばかりは終始苦笑いを禁じ得なかった。
「まあ私の妹分は可愛くて当然!何で女の子として産まれなかったのか不思議で堪らないもの」
どこか誇らしげに語るレオ、テーブルを挟んで座る奏はツッコミを放棄して一生懸命にスパゲッティを食べて平静を装っていた。
最初のコメントを投稿しよう!