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「いやいやいや、おかしいだろう。噂が独り歩きしたとかそんなレベルの話しじゃないだろう」
いち早く反論した勇人。
自分の予想を遥かに上回る噂の爆走ぐあいにかなりびびっている。
「噂には尾ひれやら付くと言うが…」
「もう、本人より濃いキャラ付けよね……」
「……だよね。………けどあながち間違いじゃない話しあったよね…」
もはや、チグハグすぎて本人をおいてけぼりにしている噂である。こればかりは勇人に同情してしまう。
勇人をよく知った3人の感想の中に、無視できない答があったようだ。
「……」
「……」
今度はエルスと咲が絶句。
勇人の様子と今の否定具合から噂は(どれかは判らないが)当てにならないと思っていただけに思考がついてこないご様子。
真相を知る勇人達4人は乾いた笑みを浮かべるばかりで、2人の思考がカムバックするまでに暫く時間がかかった。
何とも形容しがたい沈黙の後、何を言ったらいいか判らずわたわたしている。
竜と奏は2人が落ち着くようにとドリンクバーから暖かいお茶を淹れてきた。
「落ち着いた?」
レオは2人が落ち着いた様子を見て話を戻す。
「今の噂の中で、あながち間違ってないのがあったって言ったよね?………それって、どれか聞いていい?」
エルスと咲は顔を見合わせた後、咲が代表して発言した。
勿論、勇人に向かって言ったわけだが、彼が一度頷き恥ずかしそうに顔を伏せる。
奏と竜はそれについて語る気はないのだろう、レオに説明を任せた。
「あー、勇人から許可は出たけど私が代理で話すね。少し長くなるけどいい?」
それほど恐ろしい話ではない様子、勇人は恥ずかしいから顔を下げているだけで、竜と奏はくすくすと笑っている。
彼女達は頷くと続きを促した。
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