プロローグ

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―そう、今思えばはもう昔、幼き日の記憶 温かで懐かしいような、そんなふうに感じられる不思議な夢 物心ついた時から…いや、産まれる前から知っていたかの様なそんな変な夢 時々みるその夢は、代わり映えのしない繰り返されるような日常の中でも、記憶の中で色褪せることはなかった。 初めて視たのはいつだっただろうか? 始まりはいつだったかなんて、思い出すことに意味はないだろうけど。 いつ始まったかも覚えていないし、回数だって同じく覚えていない。 始まりなどは、あんまり重要ではないだろう。 だって始まりは唐突でいて曖昧だから。 けれど思わずそう考えてしまうほどに、その夢は心に深く突き刺さり、記憶に深く刻み込まれているのだ。 それは確かに色褪せることなく 変わりゆくものの中で変わらず 訴えかけてくるのだ 何かを告げ続けるように。
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