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中庭に青々と茂る草木を愛でつつ、お館様の自室まで左足を引きずりながら向かうワシ。
「ふぅ、歩くのも一苦労じゃの」
なにやら紹介したい者が居ると申しておったが。
「嫌な予感しかせぬな」
この快晴の空の下に似つかわしくない。
盛大なため息が洩れてしまった。
更に少し歩き、自室に着いたので咳払いし、襖の向こう側に居るであろう我が主へ声を掛ける。
「山本勘助、お館様に呼ばれ参り申した」
「おう、入ってくれ」
激しくデジャヴを感じながら、入った室内。
奥にはポニーテールと言ったか、少し長めの黒髪を一つ結びにしたお館様の姿。
その横には上下二つに画面がある小型の機械。
うむ、テンプレとはこうゆう時に使う言葉じゃろうな。
「お館様、一応聞きますが、それは?」
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