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手を握り返したあたしを見て
明らかに、フリーズした蓮
何か、悪かった?
と、
前触れもなく抱き上げられる
「ちょっ、なに!?」
「...いや、俺が連れて行きたくなった
気にするな」
あたしの中の好きが大きくなって
溢れ出してるのは
自覚がある
けど
蓮も同じなのかも...
当たり前の様に
横抱きにされて
俗に言う『お姫様だっこ』状態
蓮の顔が間近にあって
むず痒い
身体の線が細いのに
いつも軽々と、あたしを抱き上げる
男の人なんだなぁ...
なんて
どうでも良い事を考えて
意識を逸らす
「飛鳥を見つけた時から考えると
この状況、考えられないな」
「....確かに」
昔の蓮なら
あたしに手を差し伸ばす事はしない
優しく抱き上げる事なんてもっての他だ
あたしも
素直に差し出された手を受け取る事も
そばにいる事も、苦痛だったはず
今は...
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