ヴァニタスと二者択一

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 俺はバーカウンターで飲み物を受け取り、フロアの端に設置されたテーブルで一人で飲み物を飲みながら、フロアを見渡す。 (あの子がいいかな……)  少し離れたテーブルで一人で飲み物を飲んでいる金髪のショートボブのお洒落な女を見つけた。俺の中でお洒落さはかなり重視されるポイントだ。  観察を終えて、ある程度目星がついた頃、大きな歓声が起きた。弘剛の出番になったのだ。俺はその歓声に気付き、フロアに踊りに向かったのだった。 * * *  目覚めると昼前だった。今日は大学の授業はない日だ。そして、隣で眠る金髪のショートボブの女。そう、あの女だ。例の如く、名前は覚えていない。  ――そもそもなぜ俺がこれほどまでにモテるのか。友達も少ないし、社交性も無い俺がだ。  俺は社交性は無いが、トーク力が無いわけでは決してない。継続はできないが、目的のあるトークはできる。つまり、友達を作るという事は、俺の中で目的には当たらないという事だが。  だが、モテる理由で一番大きなところは、ルックスにあると思う。正直言って自信はある。大学入学当初、そのおかげで女から声をかけられる事もしばしばあった。  初めは手を出したりもした。しかし、本当に継続してモテ続けるという事は難しい。
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