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次の日、目覚めた俺は目を開けた瞬間に、窓から見える白いワンピースの少女が居る事を確認した。それから昨日と同じように大学へ行き、同じように授業を受け過ごす。勿論、話をした人は一人だっていない。
今日のそこからの選択は昨日とは違う。選択肢は二つあるように言ったと思う。もう予想はできると思うが、クラブに出掛ける日だ。
しかし、今日はただフラっと行くわけではない。今日のこの行動は決まっていたのだ。
理由は、藤原弘剛(フジワラ ヒロヨシ)にある。
俺にも友達と呼べる奴が一人いる。それが、弘剛だ。まだ付き合いは短いが、そんな事は友達の定義に関係は無い。
弘剛はクラブで知り合った人気のD.Jで、男に無愛想な俺になぜかしつこく絡んできた。俺と弘剛の共通点なんて、クラブが好きな事と女に手が早いくらいで、そんな奴はクラブにはゴロゴロいるだろう。後に聞いた話では、第一印象で今まで出会った事の無いタイプだと感じたかららしい。
そして、今日は弘剛が開くイベントの日なのである。俺はゲストとして入る事ができる。
入ると暗いフロアの中で、直ぐに弘剛を見つける事ができた。奴の周りには人で溢れていたからだ。
弘剛の性格は、正直言って俺とは真逆だ。とても社交的で俺とわざわざ関わらなくても友達は腐る程いるだろう。今日だって来ている知り合いに挨拶にまわるのに忙しそうだった。
「おっ、来たな!」
弘剛は少し離れたところにいた俺に気付き、他の人の会話を中断し俺の方まで来てくれた。
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