形だけの無様な傀儡中間管理職!?――フッ俺を呼んだか。

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「ありがとうございます・・・・・。いくぞバケモノオラァ!」 斎藤が吠えた。おぉ、なんという気合いだ。この場を任せても大丈夫そうな頼もしさすら感じる。頼むからなんとか俺が救助を呼ぶまで粘ってくれ。 「男の値打ちは車で決まるっすよ~」と以前口グセのように言っていただけに車はベンツだった。急いでopenボタンを押したが反応がない。おかしいな。壊れているのか。続いて鍵穴に直接差し込もうとしてみたが入らない。 嫌な予感がする。鍵の裏側を見たらそこには綺麗に“のんたん's”とデコってあった。のんたんはあいつの彼女じゃないか。・・・・やりやがった。あいつ、このドタン場で鍵を間違えて渡しやがった。 「斎藤、鍵!・・・・・・」 “ごろり” 目の前に斎藤が吹っ飛ばされてきた。血を吹き出している。 「逃げろって・・言ったじゃないすか・・・。ったくつくづくあんたって男は・・・・・」 いや、お前のせいで俺逃げれなかったんだけど。
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