形だけの無様な傀儡中間管理職!?――フッ俺を呼んだか。

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「おい斎藤!なんだその髪型は!V系か。ビクトリーのVかこのやろう!」 「昨日一年間お疲れ様でした会のためにセットしてきた髪型気にいったんで今日もこれで来ちゃいました~。あれ桑田さん、そういえば昨日なんで来てらっしゃらなかったんですかぁ?まさか不倫相手がいるとの噂は本当で?」 クスクスとせせら笑いをこぼす斎藤の顔をできることならパーで、いやグーで・・・やっぱりそれは痛そうだからチョキで思う存分どうにかしたい。まさかここにきてもぼっちネタでいじられるとは。 だが俺だっていい大人。年の甲重ねた数だけ我慢が上手。ただ最近は腰痛であんよが下手。若者のたわいない揶揄など気負うこともなく馬耳東風。 「もういい。仕事に戻れ」 「うぃーっす」 「クソ近頃の若者はちくしょうちくしょう・・・・・」 さっきまでは精一杯強がりをみせたがなんだかんだいって情けなさを噛み締めてる・・・とかそういうことではない。これは。決して。 「桑田さん、あんまり調子にのらせない方がいいですよ」 事務担当の江崎がコーヒーを盆にのせてやってきた。「香水とファブリーズは一緒」だとか言って聞かない妻とは違ってラベンダーの臭いがする。ここの事務所で紅一点の彼女はまさしく高野に咲く一輪の花の如し。面接の時は一目見て合格を決めたのと、ただただ仕事ができないのにクビにしたり給料を減らさないのは内緒。
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