形だけの無様な傀儡中間管理職!?――フッ俺を呼んだか。

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「お疲れさまです」 「お先に失礼します」 職員達が各々勤務を終えて次々と帰宅していく。俺は仕事は終えたもののこれから書類をコピーし直さなくてはならない。本当は部下に頼めば一発で事は済む話だが、自分でダメにした以上自己責任として加担するべきだろう。 「なにかお手伝いできることありますか?」 江崎がやけに気をつかってくる。それにいつもなら江崎はとっくに帰っている時間帯だ。そんなに気負う必要はないのに。 「ありがとう。だけどいいよ。もう帰りなさい。そんな顔するなって。今日の担当への対応はすごく良かったよ」 ようやく表情の晴れた江崎は「ありがとうございます」と会釈をして身支度をし始めた。 あぁもしもこんな良い娘が妻だったら人生幸せだろうなぁ。きっと内功の妻になることは間違いない。家に帰ればエプロン姿で出迎えてくれて「おかえりなさい」からの「先にご飯?お風呂?それともわ・た・し?」。うんこれ最高。今となってはどうして靖子なんかを生涯の伴侶として迎えたのか謎である。
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