形だけの無様な傀儡中間管理職!?――フッ俺を呼んだか。

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“カタカタカタカタ” 二人っきりの社内には富田のキーボードを叩く音が響く。なんとかもうすぐたんまりあった書類も全てコピーが終わりそうだ。念のため一枚一枚内容に不備がないか確認していたために時間をくってしまった。だがこれで明日の会合には困らない。 「富田、わたしはもう少ししたら帰るぞ。戸締まりよろしくな」 「・・・はい」 暗いなぁ。その点も我が社の主のようなこの男が出世できないと言われる由縁の一つだ。 「ところでお前、家族はいないのか?」 「・・・いますよ」 「ならさっさと帰りたいって思わないのか?いつも残業ばかりで。有給だってお前がつかってるの見たことないぞ」 「・・・ご心配なく。今日は久々に家族一同ご馳走を味わえそうなので」 “ゴキッゴゴゴゴキッバキッ”
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