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カフェの店員(に扮装した生徒)は、男子は甚平、女子は浴衣だった。
ずっと外で団扇を配ってる…なんて事はないよな?
確率は低いかもだが、ここに入ってくる可能性はある。
見渡す限りでは、彼女は居ない。
やっぱり運命か?
そう信じたくなるくらいタイミングよく、暖簾をくぐって入って来たのは
まぎれもなく彼女だった。
さっき一緒にいた女子達と楽しげに入ってきた。
「ツキコー!」
そう呼ばれてふいに声のした方を探したのは、彼女。
『ツキコ』
名前が分かって、高鳴る胸。
だが幸福感で満たされたのもほんの一瞬だった。
声をかけられた相手を見つけた彼女の視線の先を、釣られて見てしまった俺は、
またしても辛い記憶を思い出し、負のオーラが心を支配した。
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