ヘタれ

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階段を少し降りた所で呼ばれて振り返る彼女。 すぐに呼んだのは俺だと気付いたようだ。 目と目が合った。 「ハンカチ…落としましたよ」 なんか昔のドラマの出逢いの大堂みたいな、この流れ。。。 違う意味で照れるな… 「あっ…ありがとうございます。え?でもいつ?」 「…降りる時、車内に落としていって…」 まさかずっと見ていたなんて言えず、偶然気が付きましたテイで 言ってみた。 階段を登って俺の前に、来た。 そしてスッと手を差し出してきた。 ~あ、あ、握手!? 「すみません、わざわざ降りてくださって。」 「いえいえ、そんな、、いいんです、暇だし」 …と、わけの分からない事を言いながら、さりげなくシャツで手を拭きながら、 手を握った。 「えっ…」 握った途端、ビクッとして、小さな声でそう言いながら目を丸くして俺を見た。 .
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