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――放課後。
部活の練習試合中それは起こった。
カキーン!!
金属音と共にボールが弧を描き、俺の守備範囲内に落ちてくるのを目で追った。
「鉄ー!」
部員の声。
「おーっ」
これなら余裕だな。
オーライ オーライ…
…余裕で捕れると思いながらバックしていたその時、
グギィッ
という音を体内で感じ、次の瞬間には土にまみれながら倒れ込んでいた。
ボールは…倒れた体のすぐ後ろに落ちて転がっていった…。
「捻挫ですね」
医者の診断の下、しばらく松葉づえを使わなくてはいけなくなってしまった…。
あの鈍い音は骨折ではなく、幸いにも右足首を捻っただけのものだったのだ。
特にグラウンドに障害物があったわけではなく、単なる自分の不注意。情けない…。。
たかが捻挫、されど捻挫。
めちゃめちゃ痛い…
とりあえず今日は病院からそのまま家へ帰る事になった。
きつい練習から暫く解放される事を思えばラッキーなような、でも休んでる間に体が鈍ってメンバーと差がついていく不安もある。
……しかし、松葉づえ、痛い足を庇ってくれるお助けアイテムだが…
脇痛ぇ
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