63人が本棚に入れています
本棚に追加
休憩になり、それぞれ飲んだり座ったり寝ころんだり。
視線をずっと感じていた俺は、小さく溜め息をしつつ、しょうがなく金網に近づいて行った。
「お疲れ様!凄いね、鍛えるって。やっぱりしんどそうっ」
笑顔の小百合ちゃん。
「いやー、まぁ疲れるけど、身に付くし、動いて気持ちいいよ?」
「男の子だね~。私なんか運動苦手だから、疲れる方が勝っちゃうな」
「ははは…」
……で、何なんだ?
こんな雑談をするために見てたのか?
ま、練習を見るのは自由だし、ここに来たのは俺の方だから、雑談でもいいんだけどさぁ
なんか違う話題が出るのかと、内心ヒヤヒヤしてたから…
つい構えてしまっていた。
…と、そこで集合の合図!
このまま話を続けていると“違う話題”になる恐れもあったので、『助かった』とばかり、
「あっ、ごめん。休憩終わりだっ。じゃあ」
速効駆け出そうと向きを変えようとしたその時、
「川島君!!」
ドキッ「…え?」
有無を言わさないような強く決意した声で呼び止められて、足を止めた。
「…終わるの、待っててもいい?」
「………う、うん。」
最初のコメントを投稿しよう!