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「ください、それ。」
バンドエイドを指差した。
「えっ。足り…ますか?」
不安げな彼女。
「因みに、何枚あります?」
「えーっと…これだけ…」
バンドエイドを持った手のひらを広げた。
5枚くらいかな?
「良かったら、貰ってもいいですか?」
「勿論です!!」
受け取ったところで、先程の車掌が戻ってきて
「君、怪我してるんだったね!他に怪我した人、体調悪い人は居ませんか~!?」
呼び掛けて他は誰も居ないと確認すると、いつの間にか線路脇に到着していた救急車に、半ば強引に乗せられて行ってしまった。
車両から降りる間際チラッと振り向くと、
彼女はまだ心配そうに見てくれていた。
俺の手には、可愛いい柄のバンドエイドがしっかりと収まっていた。
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