63人が本棚に入れています
本棚に追加
勇気を振り絞り、なんとか声にしたのは
「今朝、あれから大丈夫でした?」
という小文…。
すると少しびっくりした顔で、でもすぐ落ち着きを取り戻した様子で、
「はい。あれから倒れた木を退ける作業が一時間くらいかな?かかって、急ぐ人はタクシーとかバスとか乗るために電車降りて行きました。
私は、、、そのまま乗っていて、遅刻しちゃいました」
あえて遅刻したことを白状する彼女のハニカミ顔。
あーーっ、今の、写メりたい!!
「ごめんなさい!私より、あの…怪我大丈夫ですか?」
「あー、これは大丈夫大丈夫。包帯巻いて同情誘おう作戦っ」
おどけて言うと、彼女は笑った。
もっと笑って。
「それより……君は大丈夫だったのかなと思って。」
名前は知ってる。
が、知ってたらおかしい状況なので『君』なんて言ってしまった。
未だかつて『君』なんてスマート(?)な代名詞を使ったことないから、ちょっと照れる。
「私?えっ、全然何もっ。大丈夫ですよ?…助けてくださったから…」
あの場合俺のした行動は、結果的に自分以外には助けになっていなかったのだが…
そう思っててくれたんだ。
嬉しいな。
最初のコメントを投稿しよう!