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「今度の日曜日あいてる~?」
語尾を上げ意味あり気に言う。
「何で?」
本当は何も予定はないけど…
先に暇だと言ってしまうと内容を聞いてから断りにくくなるからな。
慎重に慎重に……。
「偶っ然なんだけど、親から遊園地のチケット4枚貰ったんだ~。
ほんっと偶然4枚! それでね…。」
「あー、ごめん、日曜予定入ってるんだわ」
すかさず返してやった。
流は全て知ってるから(梨香の気持ち以外は)、とりあえず今は黙って俺達の会話を聞いていた。
「えー!?そうなの?あ、でも日にち指定ないから、その次の日曜でも…」
「いいじゃん。せっかく4枚あるんだろ?誰か他の友達と行ったら?」
「もー!だ・か・ら、小百合も一緒なんだってばっ。〰〰分かるでしょ!?」
分かるよ。分かってるから行けないんだって。
…なんで小百合ちゃんは俺に好きな娘がいるって、梨香に言わなかったんだろ?
プライド?
相手が誰を好きであろうが、自分が好きであることは変えられない…から?
そのくらい想われてんのか?俺は。
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