迷惑と困惑と

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日曜日の夕方前の電車は空いていた。 家族連れが多いな。 今日も立つ気になれず、座ってぼんやりしていると、視線を感じた。 …!? まさかまた血が!? 咄嗟に右手を見る。さっき巻かれたばかりの真っ白な包帯。 また傷口開いたら、もう次チャンスないんだからなっ。 医師の冗談混じりの本気発言を思い出しながら自分に突っ込んだ、その時。 チャンスがきた…。 彼女と話すチャンスが。 視線を感じた先に彼女は座っていた。
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