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「覚えてました?…良かった~。……!!」
つい本音が出てしまい、しまった!とドキリとする。
でもまぁ、俺の想いなんか100%知られてないだろうから、些細な言葉もいちいち気に止めないだろうけどな。
「先日はありがとうございました。手の怪我は、いかがですか?」
「うん、もうすっかり…ってのは嘘で。治りかけては馬鹿して、病院…の繰り返し。今もその帰りなんです」
笑いながら言った。
本当に馬鹿だから。
でも彼女は心配顔で「え?だ、大丈夫…じゃないんですね?酷い傷だったんだ……あの時すぐに応急処置できてればっ…」
と、自分を責め始めたので、
「いやっ、ごめんごめん!もう大分マシなんだ!痛みが無くなってきたから、つい怪我を忘れて無茶してるだけだからっ」
だーっ!もうっ、嘘ついとけばいいのに!
彼女に余計な責任感じさせてしまった。
機転がきかない自分が恨めしいっ。
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