迷惑と困惑と

29/31
前へ
/286ページ
次へ
「鉄男!」 梨香とかぶって声をかけてきたのは流だった。 二人きりより三人でいた方が、風当たり弱まるんじゃないか? こすい考えが過る。 二人は一応挨拶を交わし、先に喋り出したのは…… 梨香。 「鉄男!! 大丈夫なの!?手は!」 第一声が怒鳴り声のようだったので、ついビクッとなったが、想像していた内容じゃなくて安堵した。 「あー、昨日ほんとごめんな?あれからちょっとでも乗れた?」 「乗れたなんてもんじゃっ。オレもさすがに途中ついて行けなくなって、最終的にカメラマンだったぜ…」 「だーって、楽しいんだもん!」 その後も遊園地満喫話を無邪気に言う梨香からは、小百合ちゃんの気持ちがどうなのかは読み取る事が出来ない。 てことは、変わらず…? 「あ!そうそう、鉄男!小百合がメアド教えて欲しいみたいだよ?小百合のは私が送信するから、鉄男からメールいれたげて?」
/286ページ

最初のコメントを投稿しよう!

63人が本棚に入れています
本棚に追加