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帰りはいつも通り、帰宅ラッシュで満員だった。
普段でも狭く足場の確保に必死なのに、松葉づえな俺。
どけどけ～い!!
この松葉づえが目に入らぬかぁ～！？
って雰囲気だけでも感じ取って欲しい…
まぁ何とか入れたけど。
窮屈なわりにカーブとかで電車が大幅に揺れると、意外と隙間ができたりして。
その隙に体勢を整え場所確保。
『Ｔ中～Ｔ中～』
あー、また乗ってくるよ…せっかく位置確保したのに。もう無理だって…
そんな自分勝手な考えも、一瞬で吹き飛んだ!
彼女だ!!
並んでる前列にいる彼女は、車内を見て少し困り顔。
だよな。こんな中入る気にならねぇよな。
でも来て欲しい…
ドアが開いた途端、有無を言わさず後ろからの勢いに押されるがまま乗り込んだ彼女。
ドアは同じでも俺はドア左手近くの吊革、彼女は反対側のドア横棒に。
へばりつくように立っている。
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