始まり

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いつもの事だ。 てことでドア横にある縦長・棒状の手すり(俺にとっての特等席!)に肩を預けるようにして、ガタンゴトンと通り過ぎる景色をぼんやり見ていた。 「あの、、良ければどうぞ」 ふと車窓から声のした方へ視線を移した。 座席は満席。 吊革やドア横に数人が立っている。 一人の女子高生(?)が、前に立ってる女性に声をかけたようだ。 女性は御礼を言い、すんなり席を譲って貰ってる。 あー!!俺があの女子高生の前に居たら譲って貰えてたかもーっっ なんて思ったのは一瞬。 譲って貰っていた女性は妊婦さんだったようだ。 見た目に分かり辛いけど、座る時にお腹を護るように手を当てていた。 あの子…よく妊婦さんだと分かったなぁ。 若いのに席を譲れるなんて感心感心。 と、同年代の女の子に対し年配者のような心境で見ている自分も、まだ高校二年だ。
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