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目をつむろう。寝たフリをしよう。
とてつもなく情けないが、今の自分にはそれしか選択肢が思い浮かばなかった。
腕を組み、俯いて目を閉じる。
ガタンゴトン…
電車の音と、乗客の喋り声。
彼女のページをめくる音。
ガタンッ
大きく揺れる時も、座っていたらそう影響はない。
…あ~、揺れた拍子に俺の方に倒れてきちゃったりしてくれたらいいのに。。
それか、寝ちゃって肩に頭乗っけてきちゃうとか!?
やべー!マジやべー!! 嬉しすぎるだろ!!
…まてよ。
俺側じゃなく反対側のヤツの方にいったら?
彼女の左隣には、知らない学校の男子。なんか携帯をいじりまくってる、ピアス何個も着けてるチャラそうなヤツ。
ぜっっ…ったいそっちには行くなよ~。
こっちに来い、こっちに来い…
何の接点もなく、全くの赤の他人のくせにめちゃめちゃな願望をしまくってると、
『O町~』
隣の駅に着いていた。
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