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「横山愁樹って覚えてる?
支社は違うけど、私たちの同期の」
「横山・・愁樹?」
・・頭の中を名前がかけめぐるが、なかなか記憶にたどり着けない。
「研修で一緒だったでしょ?」
「あ、私、研修・・出てないや。入院してた。」
そう、入社してすぐ、よりによって私は虫垂炎になり、研修に出れなかった。
その代わりに課長じきじきの勉強会が毎日開かれ、しんどかった記憶がよみがえってきた。
「そうだった!
じゃあわかんないか。
まあ、いいや、その横山くんからテニスやろうって誘われててさ。向こうは三人で来るから、こっちは、実弥と理沙でどうかなと思ってさ。」
「テニスか・・最近やってないけど。」
テニスが、というよりも、顔も知らない男性三人に会うということが、面倒だ。
「横山くんが連れてくるのも同期2人だし、全然気を使う相手じゃないよ。
実弥、今まで同期会も全然参加してないから、これを期に覚えていきなよ。
もう、うるさく言う人いないんだから。」
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