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「お先に失礼します」
忙しかった月末の金曜日の仕事を終えて、特に予定もなかったものの、自然と笑顔で挨拶をしてしまう。
「お疲れ様、実弥。
今日はこのあと予定ある?」
同期の啓子に声をかけられ、ちょっと考えるフリをしてから答える。
「えーと・・今日は・・ないかな、特には。」
「じゃあ、ちょっと飲みに行かない!?」
「いいよ。」
金曜日の夜ということもあって、どこも人で溢れかえっていた。
私と啓子は、よく行く串焼きバーに入った。
「いらっしゃいませー」
5分ほど待たされて、運良く空いた半個室のような奥の席に案内された。
「串焼き盛り合わせと、シーザーサラダと生2つお願いします」
最初の一杯を美味しく飲むために、お茶も飲まずに来た私たちは、メニューも見ずに注文した。
「・・で、どうしたの?」
私はビールを三分の一ほど一気に飲むと、やっと気持ちも落ち着いて啓子に話を振った。
「何が?」
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