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「いえ、そんな事は…」
「貴様、それ以上喋るな。
殺すぞ?」
「ひぃ!?」
(そろそろ止めに入らないとな…
あまり目立ちたくないんだけどな…)
そしてシグマは動き出す…
堂々と誰にも認識されず、セツナの元までやって来て耳元で囁いた。
シグマの突然の出現に教師や生徒はざわめいた。
「き、君っ!?
今、セツナ様に近付いては!!」
中年の教師が慌てていたが、それをシグマは無視してセツナの耳元で囁いた。
「姉さん、何故ここにいるのかは後で聞くから、早くその魔力と殺気を抑えてよ。」
シグマがそう言うとセツナは溢れ出していた魔力と殺気を抑え、シグマに抱き着こうとした。
が、シグマはそれを避け、のらりくらりと元の席に戻っていた。
セツナは不満げな表情を浮かべるが、すぐに無表情を作り、入学式の終わりを告げた。
シグマは存在を薄くし、誘導された通りに教室に辿り着いた。
シグマは窓際の席に座り、風景を眺めた。
「よぉ、さっきは派手な登場だったな。」
シグマが驚いて振り向くと、そこには制服を着崩し、ニヒルな笑みを浮かべた少年が立っていた。
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