更に十年って…

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「いえ、そんな事は…」 「貴様、それ以上喋るな。 殺すぞ?」 「ひぃ!?」 (そろそろ止めに入らないとな… あまり目立ちたくないんだけどな…) そしてシグマは動き出す… 堂々と誰にも認識されず、セツナの元までやって来て耳元で囁いた。 シグマの突然の出現に教師や生徒はざわめいた。 「き、君っ!? 今、セツナ様に近付いては!!」 中年の教師が慌てていたが、それをシグマは無視してセツナの耳元で囁いた。 「姉さん、何故ここにいるのかは後で聞くから、早くその魔力と殺気を抑えてよ。」 シグマがそう言うとセツナは溢れ出していた魔力と殺気を抑え、シグマに抱き着こうとした。 が、シグマはそれを避け、のらりくらりと元の席に戻っていた。 セツナは不満げな表情を浮かべるが、すぐに無表情を作り、入学式の終わりを告げた。 シグマは存在を薄くし、誘導された通りに教室に辿り着いた。 シグマは窓際の席に座り、風景を眺めた。 「よぉ、さっきは派手な登場だったな。」 シグマが驚いて振り向くと、そこには制服を着崩し、ニヒルな笑みを浮かべた少年が立っていた。
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