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灼熱のラグーン。
見渡す限りそこは
ベージュの規則正しいウェーブ。
燦々たる神々しい光が照らそうとも
したたかにその熱ごと寄せ集め宿す。
吹き抜ける焼けた風は
ゴーゴーと自意識を見せ付ける。
久しく訪れないみずみずしい空からの恵みは息を潜め時を待つ。
忘却の彼方なのか
忘却の奥底なのか
誰人も触れることさえ許さないその封印の扉の先には如何なる驚異がかくされているのか。
あらゆる手段で
目隠しをし、耳を塞ぎ、奇妙な歌で魅了し欺き続けた。
あなたのその強引なしなやかさは何のため?
あなたの命を賭して譲らない宝箱は何のため?
地上の星と天空の星とを繋ぎ
汲めども尽きないあの深く青い泉
焼かれても更に強度を増す楔
遥かかなたまで吸いとるようなその澄んだ瞳
繋いだ先にはあの塔の頂きが望める。
あのネズミ色の殺風景な塔に
また脱け殻が集まってくる。
シルクのベージュのあの美しい風靡は
今は空へ?
今は海へ?
嘆くモノたちの凱歌。
歌おうか私も。
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