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俺はふと疑問に思った。
「で、それが何で、異世界に行ったと思ったんだ?」
聞くと、親父は自信満々に言った。
「フッフッフ…、それはなこれを見ろ!」
親父が見せたのはひとつの写真だった。
「これが何だって言うんだよ。ん…?こ、これは…」
写真に写っていたのは、森と見たこともない動物だった。
動物は狼とウサギを混ぜた、可愛らしいのか、恐ろしいのか、よくわからない姿をしていた。
だか、思った事は一つだった。
この動物は俺が今まで見たことの無い
生物だという事を…。
「親父…、これ、どうしたんだ?」
「ふむ、これは、発信器に仕込んだ撮影機能で撮った写真だ。この写真を見たときは驚いた」
そりゃ、こんな写真を見れば、誰だって驚くだろ。
そんな事を思いながら、親父は話を進めた。
「異世界はあった。だが、確証がない。
そのために、真に行かせる事にしたんだ」
親父は真剣な口調で言う
だから、やめろぉぉ…。鳥肌が出るだろうが…。
俺は鳥肌をこらえながら言う。
「だ、だけど、異世界に行ったとしても、こんな都会っ子じゃ、簡単に化け物に殺されちまう」
そう言うと、親父は予期していたようで
「大丈夫だ、真は絶対に死なせん。これをつけろ」
ポケットから取り出したのは、見た目は普通の指環だった。
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