親の発明

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「これは?」 疑問に思って聞く。 「説明は異世界に行った後にする」 「いや、まだ行くとは言ってねぇぞ」 俺の返答に不満を感じたのか、親父は別の写真を取り出した。 「それは」 「お前の子供の頃の女装写真だ」 瞬間的に、俺は親父から写真を奪い取った。 「無駄だ、まだ何枚もあるし、パソコンに残してあるから、何枚も印刷できるぞ」 手元にズラリと写真を並べた。 く、くそぅ…。あの写真がネットかなんかに流れたら、生きていけん…。 写真を見ると、ピンクのドレスを着た、可愛らしい女の子が写っていた。 ある人種に見せれば興奮間違い無しの可愛さだった。 「あの頃のお前は可愛かったのに。まあ、今も可愛いが」 「うるせぇよ!そんなもんまで持ち出して、そんなに行かせたいのか!?」 涙目で言う。 「ああ」 親父は堂々と言い返す。 「何でだ!?」 「お前のためだ」 「えっ…」 一瞬、呆然となった。
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