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「ど、どういう事だ?」
訳がわからず聞き返す。
「これは人生経験でもある。異世界に行けるなんて、この先あると思うか?」
そんなの、あるわけ無いだろ!
そんな事を思いながら言い返す。
「な、無いだろうな…」
怒りを抑えたのが、いけないのか、戸惑った口調になってしまった。
そのせいで、親父が調子に乗ってしまった。
「そうだろう、そうだろう。そのために、安全に異世界に行けるように改造したんだ」
「うわぁ…、無駄な努力…」
呆れて言う。
「何だと!」
俺の言葉に親父が憤慨した。
「まあいい」
すぐに落ち着いたけど。
「とりあえず、これを見ろ。これが異世界転送機だ!」
そう叫んで指差したのは、コインランドリーにありそうな洗濯機だった。
そして、俺は自慢げに言う親父に腹が立った。
「おい、親父。これは何だ?」
低い声で言う。
「何って、転送機だ」
「ふざけてんのか?」
「何を言う!疑うなら、とにかく入ってみろ」
親父は俺の手を取って、洗濯機に近づく。
「入れ〓」
「入るかぁ!!」
俺を洗濯機に押し込み始めた。
くそ、何で親父にこんなに力があるんだ!?
よく見ると、見慣れない指環がついていた。
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