異世界へ

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「な、何で、俺が思っていることがわかるんだ?」 不思議に思って聞く。 「いや、骨伝導で心臓の鼓動がモールス信号みたいになってな。それを機械が勝手に解読するみたいでな」 「おい!それだったら、俺のプライベートはどうなるんだよ!?」 常に親父に心の中読まれたら、かなり生きにくいわ! 「大丈夫だ。非常時以外には解読をしないよう設定する」 親父の言葉にホッと安心する。 「(だが、時々は……)フフフ…」 「親父」 「な、何だ!?」 ん?何か挙動不審だな。 「変なことに使うなよ」 俺は一応、釘を刺しておく。 「あ、ああ」 親父は慌てたような感じで言った。 怪しすぎる……。だけど、俺からだと、どうにもならないからな、言うだけ言ったし、気にしないことにしよう。 「で?」 「ん?」 聞き返してきた。 「だから、安全性を証明するんだろ!」 『グルァ!?』 俺は狼を蹴飛ばしながら、親父に話の続きを促す。
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