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「せいっ!」
横に振る。
『グラァ!』
上に避けられる。
「うし、狙い通り!」
上なら、避けられない!
「オラァ!」
さっきよりも速さと力を込めて振る。
さらに、逃げ場をなくすように縦横無尽に振り回す。
素人振りだが、速さは普通の人間なら見えないほどだ。
と、
「うーん、見事までのミンチだな」
おやじが何か言い出した。
「あっ!」
気がついたら、狼は細切れになっていた。
まあ…、普通の人間に見えないスピードで振り回しまくれば、こうなるか。
「ああ…、でもこの状況どうするかな」
このままほっといても、別の獣とかが食べてくれるだろうな。
「だが………」
血の滴っている狼の肉を見る。
「…………ゴクリ」
思わず、唾を飲んでしまった。
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