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「ゴクリ……」
親父が唾を飲み込んだ。
「………………」
沈黙になった。
「あっ……、す、すまない」
「親父、食べたいのか?パパプル」
「う、うむ……」
親父は素直に認めた。
まあ、甘党だからな。しょうがないなた。
「でもどうやって、パパプルをもっていけるんだ?」
「さっき、ボックスの能力を少し加えて、人は無理だが、物をこっちに送ることができるようになった」
「なっ、そうなのか」
ビックリして聞き返した。
「ああ、だから、真からパパプルを送ってくれ」
「分かった」
親父のたのみを聞く。
ボックスにすると、画面に転送というのが新しく付いていた。
転送を押すと、転送する物の選択リストが出てきた。
『―選択リスト―
・バガールの肉
・パパプルの実』
「ん?バガールの肉何かあったけ?」
首を傾げる。
「最初に倒した狼の名前だろう」
「ああそっか。名前知らなかったから、分かんなかったな」
疑問も解決したし、さっさとパパプルを送ろう。
「ああ、パパプルは三つ送ってくれ」
「何で三つなんだ?」
「一つは研究用、二つは私の食べる用だ」
俺は思わず苦笑いが浮かんだ。
よく食うな……。
すると、心をまた読んだのか、親父が
「いいだろう、甘い物は別腹というだろ」
なんて、言い訳をかました。
俺は笑いながら、
「分かった、送るからな」
パパプルを選択し、転送させた。
「ふう……」
パパプルを送った後、親父から返事が来なくなった。たぶん、食ってるか、研究してるんだろう。
「さて、まだ明るいから、探検を再開するか」
俺は森を歩き始めた。
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