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「助けただと…」
俺は怒りをためて言う。
「ふざけんな!あん時、青いつなぎを着た男にアッーされかけんだよ!そん時の恐怖が分かるか!? トラウマもんだぞ!」
「ああ…、それはすまない。だから、強く生きろ」
「そんな優しい慰めは止めてくれ!むしろ、辛くなるわ!」
ちくしょう…、親父が慈愛の目で見てくる…。心が痛くなる…。
「はぁ…」
俺はこれ以上、言ってもダメだと思い、諦めて溜め息をついた。
「で、何で俺の携帯を改造したんだ?」
「そうだな、息子…いや、真」
「お、おう…」
いつになく、真面目な雰囲気にたじろぐ。
「…………………………………」
「…………………………………」
「…………………………………」
「…………………………………って、長いわっ! どんだけ、間を空けてんだよ!」
間が長すぎたから、俺が先に我慢しきれなかった。
「いやぁ、思わず、シリアスな感じになってしまったから、ぶち壊してみた」
「そんだけの理由で、おちゃらけるな! どんだけ、シリアスが嫌いなんだよ」
「うむ、シリアスを見るなら昼ドラを見た方がいいな」
「それもシリアスだろ!親父の場合、修羅場が好きなだけだろ!」
「うむ」
「いや、うむ。じゃねえよ!」
早く、話を進めよう!
「で、何で、携帯を改造したんだ?」
俺はもう一度聞く。
親父は俺の言葉を聞いて、自慢げに言う。
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