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連絡くらいしてから来てくれたら助かったが、あいにく部屋は散らかりたい放題に散らかっている。
「ほら、ひかり」
下山田さんは春日井さんの肩を叩き、背中を押す。
「あ、ありがと……私を庇ってくれて。お陰でこんな怪我までさせて……ごめん」
春日井さんはもじもじしながらうつむき加減で謝り、上目遣いでこちらの様子を伺ってくる。
ショートヘアでいつもは勝ち気な印象を与える猫目が、今は潤んでいて女性らしさを醸し出していた。
その表情に不覚にも一瞬どきっとさせられる。
「えっ? い、いや、何言ってンだよ。俺が変なこと言ったのがいけなかったんだし気にすんな!」
俺はあえていつも通りの春日井さんとしゃべる軽い口調で返す。
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