女川圭一郎が振り返る理由

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いつも通りスーパー「エリーゼ」に到着し、かごに飲み物や弁当を適当に放り込む。 レジの混雑がないことを確認し、下山田さんの立つレジへと向か 「あー女川君じゃないの! 久しぶり!」 かなり驚いた様子の口調で不意に声をかけられた。 下山田さんしか見ていなかった俺は視線を声のした方へと移す。 「お久しぶり! って言っても卒業以来だから1年ちょっとかぁ。 元気だった?」 そこに立っていたのは大学時代の同級生。 俺がひたすら片思いを寄せていた女性。 そして今はその面影を下山田さんに重ねている女性。 時田里佳(ときたりか)であった。
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