女川圭一郎が振り返る理由

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デート当日。 待ち合わせの20分も前に俺は駅に到着していた。 駅前のベンチに座り時田を待つ間、携帯電話をいじり暇を潰す。 最近はエブリスタというサイトで書かれた素人の書いた小説を頻繁に読んでいた。 素人が書いたとは思えないくらいの名作もあれば、作者はろくに本を読んだことがないのじゃないかと疑うような作品もある。 しかしそういった文章が無茶苦茶な作品も読んでみると意外に面白かったりする。 つまりは書きたいことがあり、その情熱に突き動かされて書いているのであろう。 変に摩れていない分、そういった人が書く作品は型に嵌まらず斬新だったりもする。 三点リーダー(…)は複数で使うんだとか、したり顔で必死にあちこちで啓蒙して回る作者よりはいい作品を作っていたりすることもある。
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