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いずれにせよ小説を書くなど絶対に出来ない自分には凄いなという気分になる。
「相変わらず早いね! 女川君」
待ち合わせ10分前に息を切らしながら時田さんがやって来た。
「走ってきたの?」
「歩いて来たけどベンチに座る女川君見付けて走ったの」
「それ別に走る必要ないし」
笑いながら俺は立ち上がる。
時田さんは学生時代のダサくて可愛い私服でなく、ストライプの五分丈の開襟シャツに白いやや長めのスカートという出で立ちだ。
学生時代の冴えない感じの服装の方が好きだったがこれはこれで似合っている。
俺たちはまず旧居留地という古い煉瓦造りの建物も残るブランド街へと向かった。
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