女川圭一郎が振り返る理由

18/18
前へ
/364ページ
次へ
「あの、さ……」 時田はポツリと呟いて沈黙を破る。 「何?」 「……今日は楽しかったね。また市内観光、お願いしてもいい?」 「いつでも、喜んで」 「ありがとう」 にっこり笑った時田は立ち上がり、階段を降り始める。 時田は卒業後、どんな辛いことがあったの? どんな人と知り合ったの? どんな恋をしたの? 大学時代の彼とはどうなったの? そんな聞きたいことは沢山あったが全てを胸にしまい、時田の背中を見つめながら俺も階段を降りていった。
/364ページ

最初のコメントを投稿しよう!

128人が本棚に入れています
本棚に追加