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「あの、さ……」
時田はポツリと呟いて沈黙を破る。
「何?」
「……今日は楽しかったね。また市内観光、お願いしてもいい?」
「いつでも、喜んで」
「ありがとう」
にっこり笑った時田は立ち上がり、階段を降り始める。
時田は卒業後、どんな辛いことがあったの?
どんな人と知り合ったの?
どんな恋をしたの?
大学時代の彼とはどうなったの?
そんな聞きたいことは沢山あったが全てを胸にしまい、時田の背中を見つめながら俺も階段を降りていった。
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