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そうとは知らず僕はスーパーに行き、店員全員から『また今日も来やがった』という目で見られていたのだ。
好奇と嫌悪が入り混ざった、捕まった犯罪者をテレビで眺める時のようなあの視線だ。
あんまりじゃないか!
僕が恋をしたらいけないのか!
僕はただ下山田さんが好きなだけだ。
でも僕が大人しくしていれば、変な勘違いを起こして下山田さんに近寄らなければ彼女が幸せになるというならば、それも悪くない。
とてもねじ曲がってはいるが愛さないことで彼女を幸せに出来るなら愛さない。
愛しているが故に愛さない愛。
屈折しているが僕にはよく似合う。
こんな思いをしたくないから、傷つきたくも傷つけたくもないから僕は誰も好きにならず生きてきたというのに。
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