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僕と一ノ瀬さんはいよいよギクシャクした関係となり、僕がちょっとゴミ箱に近づいただけでその付近にいた一ノ瀬さんは気の毒なくらいに俯いて素早く立ち去った。
それまでだって何の日常会話もなかったわけではあるが意識的に避けるようになると気まずさや不自然さは倍増する。
息が詰まるくらいに気まずい午後がようやく終わり、僕はのろのろと帰る支度をしていた。
意識的に誰もいなくなるまで支度をしていた為、教室には僕しかいない。
鞄を持ち、帰ろうかと席を立った瞬間。
「夏目君」
不意に呼びかけられる。
「下山田さん……」
声がした教室の入り口の方に視線を移すとそこには下山田さんが神妙な面持ちで立っていた。
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