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「夏目君……余計なお節介なんだけど、一ノ瀬さんと喧嘩した?」
意を決したように下山田さんがゆっくりと口を開いた。
驚いた僕は言葉をなくし立ち尽くした。
「本当に……余計なお世話なんだけど……なんか一ノ瀬さんすごく落ち込んでいるようだったし。夏目君を避けている感じだったし……」
「そ……そうかな? もともと付き合いないし」
「一ノ瀬さんは多分すごく夏目君を心配しているんだと思うよ。だからいつも声を掛けちゃうんだよ。
夏目君が人に干渉されるのを嫌うタイプだってわかっているから私はあまり話しかけないけど……私だって最近スーパーに来てくれないから心配してたんだよ」
「えっ…………そうなんだ」
「人の心配なんて余計なお世話って思うかもしれないけど心配している方は意外と真剣に悩んでるものなの。
一ノ瀬さんははきはきしたタイプだから夏目君は苦手かもしれないけど、一ノ瀬さんなりの優しさだと理解してあげて欲しいな」
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