128人が本棚に入れています
本棚に追加
僕のいい加減な予想は的中し、焼却炉付近に捨てられた古い教科書などを一ノ瀬さんは縛っていた。
「一ノ瀬さん」
若干息を切らしながら呼びかける。
「……っっ! 夏目く……ん」
「あ、あのさ……さっきは……」
勢いよく登場したものの本人を目の前にすると言葉に詰まってしまう。
僕が言葉を絞り出そうとしていると、大きな声で話しながら誰かが近づいてくるのに気付いた。
何故だか気まずさを感じた僕たちはさっと物陰に隠れた。
声の主はクラスメイトの女子3人だった。
「なんかウザいよねぇ、一ノ瀬って」
女子の1人が大きな声でそう言って手に持っていたゴミ袋を面倒くさそうに焼却炉付近に投げ捨てる。
最初のコメントを投稿しよう!