夏目宏市が噴火した理由

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「掃除サボるなとか授業中携帯いじるなとかさ。いい子ちゃんぶってるよね」 「頭がよくてちょっと顔がいいからって調子に乗ってんじゃね?」 衝撃的な発言が次々とクラスメイトの女子から発せられる。 あまりの驚きに僕は固まった。 隣にいる一ノ瀬さんは顔を青くして言葉を失っている。 「こないだも夏目に掃除押し付けるなとか言って張り切ってたでしょ」 「うわぁ、マジで? 夏目が好きなのかな? ウケるんですけど?!」 「まあ夏目君って暗いけど顔立ちは可愛いよね」 「まじ!? あんたそういう趣味!?」 「いや違うけどさぁ」 「一ノ瀬みんなでシカトしてやろうか?」 「いいね!おもしろいんじゃね!?」 3人はこちらに気付くわけもなく次第に声が遠ざかっていく。
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